ITパスポート(通称:iパス)は「IT = 情報技術」に関する国家試験です。
AIやIoTなど新技術に関わる問題から、経営全般に関する知識(財務・法務)、また セキュリティやプロジェクトマネジメントなど幅広い分野の総合的スキルを問う内容になっています。
合格者の認定は経済産業大臣が行いますが、実際の運営は「IPA(独立行政法人情報処理推進機構)」という公的組織が担当しています。
情報処理技術者試験の「初級編」
ITパスポートには 「○級」といった区分はありません。
というのもITパスポート自体が、全部で4段階あるIT関連の国家試験(=情報処理技術者試験)のうちの「初級編」に相当するからです。
レベル2~4の上位試験が、プログラマやエンジニアなどの技術者を対象にしているのに対して、ITパスポートで求められるのは「"非技術者"が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識」。
これは、ITパスポートの内容が、文系・理系に関係なく 幅広い職業における最低限のITスキルだということを意味しています。
ITパスポートの簡単な沿革
情報技術を問う国家試験としては2008年まで「初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)」という試験が行われてきました。
しかし国の制度変更により初級シスアドは廃止され、2009年からITパスポートが新しくスタートすることになりました(wikipedia)。
現在ではCBT方式と呼ばれるパソコンを用いた試験方法が導入され、「ほぼ毎日」どこかでITパスポート試験が開催されています。
ITパスポートに合格すると?
ITパスポート合格者には、経済産業大臣から「情報処理技術者試験合格証書」が交付されます。
また必要に応じて、別途「独立行政法人 情報処理推進機構」理事長名で、合格証明書を発行してもらうこともできます。
ITパスポートは国家試験の一つです。しかし「業務独占」や「名称独占」を伴うような資格では ありません。
- 業務独占資格・・・資格を取得しないと就けない職業があるようなもの/ 例)弁護士、教師、医師など
- 名称独占資格・・・試験に合格しないと名乗れない肩書きがあるもの/ 例)中小企業診断士 など
とはいえ、現在 数多くの企業や官公庁・自治体において「ITパスポート」の取得が推奨されており、また新卒採用活動(エントリーシート)にも活用されているのが現状です。
国家試験としての社会的認知度・信頼度から、就職・転職時のアピール材料として活用が期待できます。
関連記事ITパスポート取得のメリットについて詳しくは↓以下の記事をお読みください。
「ITパスポート」の実施概要
受験資格 | 特に制限なし |
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受験料 | 7,500円(税込) |
受験会場 | 各地域ごとのPCスクールなど |
実施時期 | 会場ごとに随時開催(※月に1~10回程度) |
試験方式 | 四択問題(CBT方式) |
受験資格
受験資格に制限はなく誰でも受験することが可能です。
年齢、性別、国籍、学歴、また実務経験の有無などに関わらず受験することができます。
受験会場と開催日程
全国各地域のPCスクールなどを会場にして行われており、各会場ごとに「随時開催」されています。
実施状況は地域・会場によって異なりますが、おおむね月に1~10回程度実施されているようです。
試験の内容と方式
試験は全100問、「四択問題」の形で出題されます(試験内容:公式サイト)。
また 出題および解答はすべてパソコン上で行われます(CBT方式)。
時間 | 120分 |
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出題数 | 100問 |
出題形式 | 四肢択一式(4択問題) |
出題分野 |
ただし全出題数100問のうち実際に採点の対象となるのは、総合評価は92問、分野別評価はストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問となる。残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われる。 |
合格基準 | 600点/1000点(総合評価点) ※ただし各分野それぞれで300点/1000点の最低点をクリアしなけれないけない(※参考:合格基準について) |
出題内容は毎回異なっている!
ITパスポートでは 情報処理推進機構(IPA)によってあらかじめ用意された数百問の問題から その都度100問が抽出されて出題されています。
同じ会場であっても出題内容は毎回異なります。
出題範囲
ご覧頂いておわかりのとおり、範囲は非情に広範にわたっており一朝一夕に対応できるようなものではありません。
参考試験範囲についての詳細は公式サイトの案内も合わせて確認してみてください
受験以後の流れ
上は例として8月に受験した場合の流れを図にしたものです。
受験以後の合格発表までのスケジュールに関しての詳細は「試験結果の確認と合格発表」のページをご覧ください。